受精から着床、そして妊娠 検査・治療

受精

受精の場である卵管膨大部にたどり着いた卵子が受精できるのは12時間程度です。精子は卵管の中で2-3日生きており、卵子にむかって進みます。
卵子はまわりを透明帯という分厚く固い膜に覆われています。精子はヒアルロニダーゼという酵素を出して膜を通過しようとします。何百匹という精子が挑戦し、最終的に一匹の精子が膜を通り抜けて卵子のなかに入ります。一匹が中に入ると透明帯の性質が変わり、それ以上精子が入ることができなくなります。
その後数時間のうちに、卵子と精子それぞれの遺伝子をもった2つの核が融合して1つの核になり受精が完了します。
受精した卵子を受精卵といいますが、この受精卵は受精後3日間かけて卵管から子宮に移動します。

着床

着床

受精卵は驚異的な細胞分割を繰り返して胚盤胞となり、受精6日目頃には透明帯から孵化します。
7日目頃には、受精卵の表面に絨毛という小さな根のような組織ができ、子宮の内膜上皮を溶かしてとり付きます。受精卵が受精後7日目に子宮の中にいるということが非常に重要で、もし、子宮口から外に出てしまっていたら妊娠できません。逆に子宮にたどり着けなければ卵管の中にとり付いて子宮外妊娠となってしまいます。
子宮内膜は受精卵の到着にそなえて厚くなっており、受精卵はより深く内膜にもぐり込み、母体の血管から胎児の発育に必要な栄養を受け取るようになります。これを着床といいます。

妊娠

この段階では次の月経の時期には早く、母親は妊娠したことに気づきませんが、何日かすると乳房の張りや軽い吐き気、下腹部が重い感じがするなど妊娠のごく初期のサインが表れ始めます。
着床後、絨毛ではhCG(絨毛性性腺刺激ホルモン)というホルモンが作られます。hCGは卵巣の黄体を刺激して、より多くのエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)を作るように働きかけます。多量のエストロゲンとプロゲステロンが視床下部や下垂体に作用してFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌を抑え、次の排卵が起こるのを止めます。
また、これらのホルモンが子宮にも作用して月経を止めることで、子宮内膜は厚くなっていき妊娠をサポートできるように変化します。

排卵は一般に生理が始まってから12-16日目の間、特に14日目に起こることが多いようです。11-14日目頃にセックスをもっていれば、なにも異常がなければ一年以内に妊娠します。