基礎体温表 検査・治療

基礎体温表は、毎朝、目が覚めたとき、他のことを始める前に婦人体温計で体温を測定して専用の表に記入していただきます。朝起きる時間がまちまちでも、体温を測る前に体さえ動かさなければかまいません。紙の表に書き込むよりはスマートフォンなどのアプリで管理される方が便利かもしれません。

〈 基礎体温 〉

〈 基礎体温 〉

基礎体温表の効用

1 排卵が起こったかどうかを知る。

2 月経周期にあわせて行う治療や検査のタイミングを知る。

例1)子宮卵管造影

子宮卵管造影は卵胞期、つまり月経が終わって排卵が起こるまでの間しか受けることができません。基礎体温表がないと、検査の前の出血が本当に月経だったのか、それ以外の原因の出血だったのかはっきりしないこともありますし、検査当日が本当に排卵日の前なのかどうかも確認できません。

例2)人工授精

人工授精は排卵の直前に治療を受けなければあまり意味がありません。基礎体温表を何周期かつけていると排卵日が予想できますから、その少し前からもっと詳しく排卵の時期を知ることのできる検査を受けて、最も妊娠しやすい日に人工授精を受けることができるようにします。

3 黄体機能不全の兆候を知る。

基礎体温で高温期が低い場合には、黄体機能不全といって黄体から出るホルモンが不十分なために妊娠しにくい状態が考えられます。

4 月経、不正出血、おりものなどの記録も行うことで診断の一助となる。

基礎体温をつけることにあまり神経質になる必要もありません。朝、体温を測ることを1~2回忘れたからといって基礎体温の価値が下がるものではありません。基礎体温をつけることが精神的な負担になってしまっては逆効果です。気軽にできる範囲でつけてください。