大谷レディスクリニックでは、不妊治療に精通したスタッフが一般不妊治療・体外受精・顕微授精など、不妊でお悩みの方のための治療に取り組んでいます。

高度生殖医療(ART)

体外受精

体外受精は非常に妊娠率が高く、不妊症の治療に革命をもたらしたといってもよいでしょう。

体外受精ではまず、女性の卵巣から成熟した卵子を取り出します。一方、男性に採っていただいた精液からは元気のよい精子だけを選んで洗浄します。そして卵子と精子を体の外で出会わせて受精させます。実際には緻密な医療機器と受精に最適に調整された培養液のなかで受精がおこなわれます。受精した卵子のことを受精卵と呼びますが、もう少し培養を続ると4つから8つぐらいの細胞に分裂します。さらに長期間培養すると着床寸前の胚盤胞という状態にまで発育します。この胚盤胞を細いカテーテルを使って子宮の中に戻します。この受精卵は子宮の内側の膜に入り込み、着床して妊娠となります。

当クリニックでは培養室は無論、採卵室、移植室も高レベルのクリーンルームにしたうえで、さらにクリーンベンチを使用するなど最高水準の設備を備えています。卵の取り扱い時に使う顕微鏡付インキュベーターはHEPAフィルターを備えたものをオーストラリアから取り寄せています。患者様個人毎に一台用意させて頂いている培養器も体外受精については先進国であるオーストラリア製の精度の高いものを使うなど、世界中から高レベルの医療機器と培養液を取り寄せ体外受精を実施し、常に高い妊娠率をあげています。

必要に応じて着床前診断も可能です。私どもでは次世代シーケンサー(NGS)法により24種類全ての染色体を調べておりますが、着床率を上げて流産率を下げる効果があります。着床前診断で染色体の数が正常と判断された受精卵を子宮に戻させて頂いた場合、年齢に関係なく、1個あたり70%が着床してくれ、流産率は約10%まで下がります。

大谷レディスクリニック院長の大谷徹郎医師は体外受精の研修のため、世界的で2番目に体外受精に成功した事で有名なオーストラリア、メルボルン大学附属ロイヤルウィメンズホスピタルで 1992年から1年間clinical fellowとして臨床研修を受けました。以後も世界中の体外受精のエキスパートとの交流により常に最新の技術を取り入れています。また、最高の設備と培養環境により、大谷レディスクリニックの体外受精の妊娠率は常にきわめて高いレベルを維持しています。
大谷レディスクリニックの最新の不妊治療はマスコミ各社でも報道されています。
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また、当クリニックでは培養士、看護師等はすべて女性ですので、医師以外に男性が採卵、移植等に立ち会うことはありません。

どんな人が体外受精を受ける必要があるのでしょうか。


卵管が詰まっているか、癒着している方

卵管が詰まっていると卵子と精子が出会えませんから、体の中では受精できません。体外受精はもともと、こうした方ために開発された治療法です。卵管が詰まっているといわれたら体外受精を受けることを考えてください。卵管は通っているけれども、通りが悪い場合にも妊娠しにくくなりますから、体外受精の必要があるといえます。また、卵管は通っていても、周囲と癒着している場合もあります。こうした場合には卵管が卵子を取り込んだり、子宮まで運んだりすることが難しくなりますから、体外受精を行わないと妊娠しにくくなります。

お腹の中に癒着や炎症、その他の異常のある方

子宮や卵巣の近くのお腹の中に癒着や炎症などの異常があると、卵巣から卵子がうまく排卵できなかったり、卵管が卵子を取り込めなかったり、受精がうまく行かなかったりします。このような場合も体外受精によって妊娠することができます。

精子の数が少ない、奇形が多い、元気な精子が少ない方

ちゃんと排卵していて卵子が卵管の中に取り込まれていても、そこに十分な数の元気に運動する精子がやってこなければ受精しません。体外受精では元気な精子を選んで卵子と出会う機会を作ってあげます。ですから精子の数が少なかったり、奇形の精子ばかりで正常な精子の数が少なかったり、あるいは元気にまっすぐ泳いでいる精子が少なかった場合でも、その中に少しでも生きた精子がいれば体外受精、顕微授精で受精が可能になります。男性が原因で妊娠しにくいといわれている方も、体外受精、顕微授精を受けることを相談してみましょう。

精子が卵子にたどり着くのを妨害する抗体がある方

体の中に、精子に結合して精子を動かなくしてしまう抗体ができることがあります。これは女性にも男性にもできることがありますが、これがあると射精された後、精子は動かなくなってしまいますから、子宮頚管から子宮の中、さらに卵管までの旅ができなくなってしまいます。この場合も体外受精を行うと精子の旅が必要なくなりますから、妊娠することができます。

原因不明で長い間赤ちゃんのできない方

いろいろ検査をしても異常はなく、いろいろな治療を受けたのだけれども何年も赤ちゃんができないという、原因不明の不妊症の方も残念ながらたくさんいらっしゃいます。このような方はぜひ体外受精を試してみてください。体外受精を行うことによって、検査ではわからないけれども妊娠を妨げている要因、例えば、排卵した卵子を卵管が取り込んでくれないピックアップ障害などを回避することができるので、妊娠できるようになります。

体外受精の流れ

では体外受精では具体的にはどのような手順で行われるのでしょうか。まず、体外受精を受ける前に不妊症の検査は一通り済ませておく必要があります。検査において異常があった場合には、必要のあるものは治療しておきます。

実際に体外受精を受ける時の卵巣刺激法にはアンタゴニスト法、ロング法、ショート法、クロミッド法(低刺激法)、自然周期法等があります。

アンタゴニスト法、ロング法、ショート法では採卵する周期の月経が始まると2~3日目からFSHあるいはhMGという排卵誘発剤の注射を7~12日間毎日受けます。この注射は卵胞に働きかけて卵胞を大きくし、卵子を成熟させる働きを持っています。自然の排卵では、最初はたくさんの卵胞が一緒に大きくなっていくのですが、最後には1つの卵胞しか成熟せず、残りの卵胞はしぼんでしまいます。しかし、この注射で卵胞を大きくすると卵胞はしぼまず、複数の卵子が成熟します。体外受精では卵子1つだけでは妊娠する率が低くなることが多いので、いくつかの卵子を受精させてやり、その中で最も状態の良い受精卵を戻してあげると妊娠しやすくなります。そのために注射で複数の卵子を成熟させるのです。この注射を受けている間は、超音波で卵胞の大きさや子宮の内側の膜の厚さをモニターします。また、血液中のエストロゲンも測定します。これらを総合的に判断して卵胞が大きくなって卵子が十分成熟したときに、hCGという注射を受けます。このhCG はさらに卵子を成熟させます。場合によってはhCGの代わりに点鼻薬あるいはルクリンという点鼻薬と同じ成分の注射で卵子を成熟させることもあります。アンタゴニスト法と点鼻薬かルクリンの組み合わせでは排卵誘発剤の副作用である卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が殆ど起こらないため最近では高刺激が適応の方にはこの方法をおすすめさせて頂く場合が多くなっています。

一方、クロミッド法(低刺激法)では月経3日目くらいから毎日クロミッドという内服の排卵誘発剤を内服して頂きます。この薬には卵胞を育てると共に、排卵を遅らせるという作用もあります。この薬を服用して頂いて、卵胞が適切な大きさまで育ってくれた時点で、hCGの注射、あるいは点鼻薬で卵子を成熟させます。

卵巣刺激法については、その方のホルモンのバランスなどによってどの方法が適しているかをご相談させて頂きます。

 

hCGを注射して、あるいは点鼻薬を使って約35〜36時間後に卵胞から卵胞液を採取します。当クリニックではこの時に麻酔をしますので、痛みの心配はありません。採卵に際しては手術室で超音波Bスコープで卵胞を見ながら卵胞液を吸引します。

卵胞液を採取すると、この液をシャーレの上に広げて顕微鏡で観察します。卵丘細胞というきらきら光る細胞が、卵子の周りを王冠のように放射状に取り囲んでいるのが見えます。卵子を見つけると卵丘細胞と一緒にていねいに培養液の中に移します。この培養液は自然の卵管の中にある液の組成によく似たもので、卵子や精子にとって快適な環境です。

一方、男性には精液を採ってもらいます。精液が採取できると、その中から元気よく運動している精子だけを集めます。

こうして卵子と精子の準備が整うといよいよ卵子と精子の出会いに取り組みます。この出会いの機会は、卵子の入っている培養液の中に集めた精子を入れてやることによって作ります。培養液の中に入った精子は、まっしぐらに卵子に向かって泳いでいきます。その内の1匹の精子が卵子の中に入ると受精します。

受精卵を次の日に顕微鏡で見ると卵子と精子、すなわち女性と男性由来の2つの核が見えます。2つの核が顕微鏡で観察でき、受精が確認された卵は新しい培養液に移してさらに培養します。その翌日には新しい生命である受精卵は2~4個の細胞に、3日目には約8個の細胞に分割し、さらに4~6日目には着床直前の胚盤胞という状態になります。

受精卵が分割卵、あるいは胚盤胞の段階まで育つと、受精卵を子宮の中に戻します。受精卵を細いカテーテルの中に入れ、このカテーテルを子宮の中に挿入して、受精卵をごく少量の培養液とともに子宮の中に注入します。これを胚移植といいます。この時にはほとんど痛みはありません。受精卵を戻したあとは数時間ベッドの上で安静にしてから帰宅していただきます。

子宮の中に戻った受精卵は数日のうちには子宮の内側の膜にもぐり込み、着床して妊娠が成立します。

体外受精の実際

卵巣刺激

ロング法では月経開始の一週間前、ショート法では月経開始の当日から点鼻薬(ナサニール、スプレキュアなど)を開始します。点鼻薬は採卵の前々日まで続けます。

アンタゴニスト法、ロング法、ショート法では月経開始2〜3日目からhMGかFSHの注射を始めます。注射は毎日です(平均10日)。ご都合がつかないときは自己注射も可能ですし、診察時間外の注射もできます、。アンタゴニスト法では、卵胞が15ミリ前後になると、排卵を抑える作用を持つ、アンタゴニスト(セトロタイド、ガニレスト等)の注射も併用します。必要に応じて卵胞の大きさの測定、血液検査を行い、卵胞が成熟した時点(平均して注射を始めて10日目)でhCGを注射します。hCGの注射は採卵の35~36時間前ですので、午前の採卵の場合、夜8時から11時頃になります。なお、アンタゴニスト法の場合にはhCGの注射の代わりに点鼻薬を使って頂く場合がございます。

一方、クロミッド法(低刺激法)では月経2〜3日目からクロミッドを1日1錠内服して頂いて、卵胞の発育を待ちます。必要に応じてhMG、FSHやアンタゴニストの注射を併用することもあります。卵胞が十分な大きさになって血液検査で卵子が成熟してくれたと判断された時点でhCGか点鼻薬を使い、その35〜36時間後に採卵します。

採卵

採卵日は採卵の予定時刻の30分前にお越しいただきます。麻酔をしてから採卵を行いますので痛みはありません。採卵後、精子と受精をさせます。採卵日にはご主人もお越しください。どうしてもお越しになれないときにはご自宅で採精してお持ちいただく、あるいは前もって精液を凍結しておく事も可能です。

胚移植

採卵周期に移植させて頂く場合には採卵後2~6日目に受精卵の状態を観察し、どの胚を戻すかを検討して、お写真をお渡しします。移植はほとんど痛みもなく5分ほどで済みますが、その後1〜2時間ベッドで安静にしていただきます。胚盤胞移植では5~6日目に移植します。2段階胚移植を行うときには2~3日目と5〜6日目に2回移植します。

なお、最近は胚盤胞まで育ってくれた受精卵を一旦凍結してから、別の周期に移植してあげる事が多くなりました。採卵周期では排卵誘発剤等の影響で子宮内膜が着床しにくくなっている場合があり、内膜の状態のより良い次の周期以降に戻してあげた方が妊娠率が高くなるからです。ガラス化法による凍結融解の技術が向上し、凍結しても受精卵はほとんど傷みません。

黄体機能補助

採卵のあとは黄体ホルモンやhCGの投与を受けます。薬や注射の種類や頻度は卵巣の状態にあわせて選択します。

妊娠判定

移植後約2週間で妊娠の判定をします。