神戸ARTレディスクリニックでは、不妊治療に精通したスタッフが一般不妊治療・体外受精・顕微授精など、不妊でお悩みの方のための治療に取り組んでいます。

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Q. PGT-Aには、どのような技術が使われていますか?

A. 通常の体外受精・胚移植に加え、胚生検、染色体診断という技術が用いられます。
胚生検(バイオプシー)(図5)
胚生検とは受精卵から検査のために一部の細胞を採取する方法です。私どものクリニックでは受精卵が受精後5日目の胚盤胞まで成長したときに、将来胎盤など胎児以外の組織になる部分(栄養外胚葉)の細胞を3~5個程度採取しています。

図5 胚生検

NGS法による染色体診断(図6)
NGS法とは 次世代シークエンサー(Next Generation Sequencer)という最新の分析機器を用いた、スクリーニング方法です。24 種類の染色体すべての数を調べることができます。DNAの情報は、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)と呼ばれる4種類の文字(塩基と呼びます)で書かれています。シークエンサーというのは、DNAの塩基の並び方の順番(塩基配列)を読み取る機械です。
胚生検で受精卵から採取した細胞からDNAを抽出します。それをWGA(Whole Genome Amplification:全ゲノム増幅)と呼ばれる方法で何万倍にも増やし、その後、増幅した、たくさんのDNAの断片を一斉に読み取ります。その情報をコンピュータに取り込み、何番染色体のどのあたりの配列なのかを分析します。
ヒトには46 本の染色体があり、長さの順に番号が決まっています。染色体ごとのDNA量の比は、各染色体の長さに比例します。読み取る個々のDNA断片の長さはほぼ同じであり、断片数とDNA量は一致します。調べた受精卵の染色体ごとの、DNA断片数の割合が、標準的な比率と比較して、多いのか少ないのかを見ることで、染色体の数を判定できます。
例えば、21 番染色体のDNA量は細胞内の核DNA量の1.9%です。検出した21 番染色体由来の断片数が全体の1.9%ならば21 番染色体は正常です。もし2.85%ならば、この受精卵は21 番染色体が3本ある、トリソミー21(ダウン症候群)です。
NGS法は実際に読み取ったDNA断片数を直接カウントするため、増減が数の差として明確にとらえられる方法です。また、技術的に安定した方法なので、再現性の高い診断が可能です。一度に多くの受精卵を分析できる操作上の利便性も高く、最近では世界的にNGS法が主流になっています。

図6 NGS法(次世代シークエンサー)による染色体診断
図7 診断結果(3番トリソミー、11番モノソミー)