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妊娠するための女性の身体のしくみ



視床下部
 女性の内分泌、すなわちホルモンのバランスをコントロールしている中枢は脳の中の視床下部と呼ばれるところです。ここは大脳皮質の影響を受けやすく、ストレスがかかると月経が乱れたりするのは、この視床下部がうまく働かなくなるからです。ここからはGn-RHというホルモンがパルス状に分泌されて、脳下垂体に卵巣をコントロールするFSHやLHというホルモンを分泌しなさいという指令を送ります。



脳下垂体
 脳下垂体は脳の一番下にある小さな内分泌腺です。ここからは体の様々な働きをコントロールしている重要なホルモンが何種類も分泌されています。脳下垂体から分泌されるいろいろなホルモンのうちで女性の内分泌、つまり卵子の成熟や妊娠、月経などに直接関与しているのはFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)という2つのホルモンです。視床下部からの指令を受けて、脳下垂体からFSHとLHが規則的に血中に分泌されます。


卵子の成熟と排卵
 FSHは月経が始まってからすぐに分泌されはじめますが、このホルモンは卵巣の中に蓄えられている未熟な卵子に働いてそのうちのいくつかを成熟させ始めます。卵子が成熟するときには卵子のまわりを包んでいる卵胞という袋の中に卵胞液と呼ばれる液体が貯まっていき、卵胞は大きくなって卵巣の表面から突き出すようになります。卵胞は排卵の直前にもっとも大きくなり、このときの直径は2cmぐらいになります。これだけ卵胞が大きくなるのには月経が始まってから約14日間かかります。1回の月経周期では15個から20個の卵胞が大きくなりはじめるのですが、卵胞の成長の途中で一番大きくなった卵胞だけが生き残り、残りの卵胞は委縮してしまいます。

 大きくなりつつある卵胞の中では卵子がさらに成熟していって、排卵の直前にはもっとも受精しやすい状態になり、卵丘細胞という細胞に囲まれて卵胞液の中に浮いています。




 ところで、卵巣では卵子を蓄えておいて時期が来たら成熟させている以外にも、赤ちゃんを生むということにとって必須のエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンを作っています。

 エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれ、卵胞の壁を作っている細胞から分泌され、子宮内膜と呼ばれる子宮の内側の膜を増殖させる作用があります。

 プロゲステロンは黄体ホルモンとも呼ばれ、排卵した後の卵巣にできる黄体と呼ばれる場所で作られます。プロゲステロンはエストロゲンと一緒に働いて月経開始後21日目ぐらいまでには子宮内膜を受精卵の着床に都合がよいように準備しておく働きがあります。

 さて、エストロゲンの分泌は排卵が近づくにつれて急に増えますが、エストロゲンが十分に増えると視床下部は卵胞が成熟したことを感知して脳下垂体に指令を出して多量のLHを一度に分泌させます。分泌されたLHは大きくなった卵胞に働いて排卵させ、卵子は卵胞液と一緒にお腹の中に飛び出します。

 大多数の女性は自分が排卵したことに気づきませんが、なかには下腹部の不快感を感じる方もいます。これはたぶん卵胞が破れる痛みだと思われますが、この痛みは数分間から6時間ぐらいまで続くこともあります。

 ほとんどの女性では毎月交代に右と左の卵巣から排卵しますが、これも必ずしも絶対にそうなるというわけではありません。中には右の卵巣から数カ月続いて排卵した後、その次は左側の卵巣から何カ月か排卵するという人もいます。もし、一方の卵巣が手術で摘出されるかあるいは何らかの原因で働かなくなった場合にはもう片方の卵巣が大きくなって、毎月排卵し、女性としての機能をいとなむ上で十分な量の女性ホルモンを分泌します。

 排卵の前には子宮の入口の粘液の性状も変わります。排卵期以外の子宮入口の粘液は粘性が高くて少量しかありませんが、排卵が近くなると量も多くなり粘性もさらさらとしてきます。このことは排卵が近づいていることを自分で知る上でよい目安となります。






卵管
 卵管というのは子宮とお腹の中をつなぐ長さ約7cmの管ですが、卵管のお腹の中の端はラッパの先のような形をしていて、卵巣のすぐ近くにあります。排卵が起こると、卵管采と呼ばれるこのラッパの先が卵子を卵管の中にゆっくりと優しく取り込みます。卵管の中の細胞には繊毛と呼ばれる顕微鏡でしか見えない細くて短い毛がたくさん生えていて、この繊毛の運動と卵管自体の筋肉のぜん動で卵子はゆっくり子宮のほうに運ばれます。卵管の中は弱アルカリ性で卵子にとってとても過ごしやすい環境になっています。





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