大谷レディスクリニックでは、不妊治療に精通したスタッフが一般不妊治療・体外受精・顕微授精など、不妊でお悩みの方のための治療に取り組んでいます。

不妊症Q&A

体外受精について

体外受精について

顕微授精、体外受精の安全性についてお伺いします。顕微授精や体外受精を行った場合に、子供が障害をもって生まれてくる割合は、自然妊娠の場合に比べて高いということはないのでしょうか?

これについてはさまざまな報告がなされていますが、顕微授精、体外受精で子供の障害などが増えることはないようです。たとえばベルギーのグループの報告では体外受精、顕微授精を受けて生まれた子と、そうでない子、それぞれ300人以上を比較して障害などの確率に違いはなかったとしています。ただ双胎妊娠の場合には、1人1人の子供の体重などは小さくなる傾向があります。

人工授精に過去に何度もチャレンジしたのですが、その都度、失敗ばかりであきらめています。近くの病院では人工授精か体外受精しか行っておらず、顕微授精を実施している所はありません。どの方法を採ることが、1番確率が高いでしょうか? 主人も52歳と年齢が高く、精子が全くといっていいほどいません。こういった場合でも可能性はありますか?

ご主人の年齢は妊娠率に関係しませんが、精子が非常に少ない場合には人工授精では妊娠しにくいです。精子が極めて少ない場合には体外受精よりも顕微授精がベターです。精子が少なかったり、体外受精での受精率が悪かったりするようなら、少し遠くても顕微授精をしている病院を探されることをお勧めします。

体外受精の後、妊娠判定まではどのように過ごせば良いのですか?

体外受精で胚移植を受けた後の過ごし方にはさまざまな考えがあります。安静にした方が良いという人から、何をしてもかまわないという人までさまざまです。外国では一般的に普通の生活をしてもらっているようですが、日本では安静にしてもらうことが多いようです。ただ、安静によって妊娠率が向上するという科学的データはありません。あまり無理をしない範囲で、普通に生活されてはいかがでしょうか。

顕微授精の準備として生理予定日の5日前からスプレキュアを使用するよう指示されたのですが、妊娠しているかもしれない人が使用しても問題ないのですか? 説明書を見ると生理が始まった日、または翌日から使用するように書いてあるのですが。

説明書には妊娠中には使用しないようにと書いてあるのですが、これはホルモンのレベルを下げるので、流産のおそれがあるためです。もし、生理が遅れるようならすぐに妊娠反応を行って、陽性の場合HCGを投与すれば流産の心配はありません。実際、スプレキュアを使っている時に妊娠されて、元気な赤ちゃんをお産みになられた方はたくさんいらっしゃいます。本来、子宮内膜症に使う薬ですので、その場合には生理の始まった日から使用しますが、体外受精の場合には、良質の卵を得て、かつ排卵を抑制するのが目的ですので、前の周期の高温期から使用します。ロングプロトコールと呼ばれ、最も妊娠率の高い方法です。

体外受精を希望しているのですが、ナサニールが効かないといわれてしまいました。ナサニールなしでの体外受精は成功率が低くなりますか?

ナサニールのようなGnRHアゴニストと呼ばれる薬なしで体外受精を行うと、自然に排卵してしまったり、排卵しないまでもホルモンのバランスが悪くなったりすることがあり、妊娠率が低下してしまいます。他にも同じような薬効の点鼻薬や注射の薬もありますし、最近ではGnRHアンタゴニストと呼ばれる別の種類の薬も使うことができるようになりました。これらを使うことをご相談ください。

体外受精の成功は受精卵の質の良さで決まる、と聞いたことがあるのですが、1度目の体外受精の受精卵は、あまりグレードが良くありませんでした。2ヶ月後の2度目の体外受精は是非成功させたいのですが、グレードの高い受精卵をつくる方法はありますか?

これはなかなか難しいご質問です。体外受精の成功は確かに卵の質に大きく左右されますが、これを決定している因子は多岐にわたります。まず、ご本人の年齢、そして卵巣にある卵子自体の質、どの時期に採卵したか、培養液、培養方法などの因子が複雑に絡み合ってきます。これらのいずれかが悪くても妊娠しにくくなりますが、ご本人にできることは、主治医の指示通りにスプレーや薬を使うことでしょう。

奇数分割は良くないと聞いたことがあるのですが、どうなのでしょうか?

奇数分割が必ずしも成績が悪いというわけでもないので、妊娠反応までお待ちいただくのが良いかと思います。

卵巣が癒着しているために排卵ができないので、体外受精をしましょうといわれました。そのような卵巣からも、ちゃんと採卵できるのでしょうか?

卵巣の周りが癒着していると排卵しようにもできなくて、排卵しないまま卵胞は黄体になってしまいます。これを黄体化非破裂卵胞症候群と呼びます。黄体化非破裂卵胞症候群でも体外受精の成績には影響はありませんし、採卵すること自体にも何の影響もありません。

以前、体外受精をして卵子が14個取れましたが、卵巣過剰刺激症候群になり、卵巣が腫れました。次回もこのようなことが起こるのでしょうか?

卵巣過剰刺激症候群は体外受精の際に使うHMGという薬の副作用です。体外受精を行う際には、一般的に複数の卵子を得て妊娠率を上げるためにこの薬を使いますが、患者さんの体質等によっては卵巣過剰刺激症候群が起こってしまうことがあります。これを避けるには使用量を減らすなどの対策が考えられますが、あまり減らすと妊娠の可能性が低くなってしまいます。1度、卵巣過剰刺激症候群を起こされた方は次回も同じようになりがちですが、専門の医師が厳密な管理のもとに行えば、それ程心配はいらないと思います。

不妊症で悩んでいる34歳の女性ですが、主人の仕事の関係で今海外にいます。以前に精子の運動能力が弱いと医師にいわれました。主人が先に日本に1週間ほど帰国し、精子を冷凍保存して、その後私が日本に帰って治療を受けることはできませんでしょうか?

治療の内容によりますが、精子の運動能力が弱いようなので、顕微授精でしたらご主人の精液を凍結しておいて、その精液を用いて顕微授精を行うことは可能です。精子の濃度が十分のようなら、人工授精、体外受精でも大丈夫です。

凍結卵を戻してから15週までずっとプロゲストンという黄体ホルモンの注射をしていただきましたが、黄体ホルモンの注射の副作用で、胎児に生殖器の異常や尿道裂傷という影響が出ると聞いたのですが、大丈夫でしょうか?

黄体ホルモンの投与によって胎児の障害が増えるかどうかについてははっきりした結論は出ていません。これは1975年くらいに最初にいわれ出したことなのですが、障害がほんの少し増えるのではないかという論文と、黄体ホルモンは障害には全く関係ないという論文があり、結論が出ていません。25年以上にわたって結論が出ないということは、まず関係ないということではないかと考えています。体外受精、凍結受精卵の際には世界中で黄体ホルモンが使われています。日本の厚生労働省も切迫流産の治療に黄体ホルモンを認可しています。もし、本当に黄体ホルモンが障害を増やすのなら、厚生労働省が認可するはずがないのではないかと思います。医学論文というのは星の数ほどあり、正しい情報と間違った情報が混在しています。現在のところ黄体ホルモンで障害が増えるという確証はないと考えて良いと思います。あまりご心配にならない方が良いのではないでしょうか。

受精卵が子宮内膜に着床する時期、もしくは着床して間がない時期に、母体である自分の体が何らかの理由で高熱(38~40度近く)を出した場合、妊娠に至らないことがあるのでしょうか? それと私は、とても熱いお風呂(ふろ)に長時間入るのが好きなのですが、あまり良くないのでしょうか?

これはあまり関係ないのではないかと思います。以前、体外受精で採卵した後、インフルエンザにかかられて、40度近い熱を出されていた方が、どうしても胚移植をして欲しいとおっしゃるので、凍結せずに胚移植したことがありますが、その方は妊娠されました。お風呂も全く問題ないと思います。それよりもご自分が好きなお風呂でリラックスされることの方が身体には良いと思われます。

不妊治療を始めて2年。今月2回目の体外受精をしましたが、採卵から6日も経っているのに、未だに低温期です。既に妊娠の可能性はないのでしょうか?

体温はあまり気にされなくても良いのではないかと思います。体外受精を受けられている時には何らかの黄体機能補助を受けられているはずで、黄体ホルモンがあれば体温は関係ないと思います。

2回の体外受精でも妊娠できず、今度の3回目でアシステッドハッチングをすることになりました。しかし本などで調べてみると、「受精卵が弱る」と書いてありますが、大丈夫でしょうか?

アシステッドハッチングの方法にも色々あり、その1つのやり方として、タイロードという酸を透明帯に吹き付けて行うと、その酸が受精卵に悪影響を与えると指摘されています。それを回避するためと、精密に透明帯を薄くするために、専用のレーザーでアシステッドハッチングを行うと、受精卵が弱ることはありません。アシステッドハッチングを行うと着床が早まり、妊娠率が上がります。高齢の方や以前体外受精に失敗された方、凍結卵の胚移植の場合などには特に有効です。

2回顕微授精しても妊娠しませんでした。

こういった場合、2段階胚移植やレーザーによるアシステッドハッチングをお勧めします。

自然周期の採卵、胚移植を行っていますが、いくら誘発剤を使わないにしても、毎月採卵しても大丈夫でしょうか?

自然周期の採卵、胚移植なら毎月受けられても、身体への負担など大きな問題はありません。ただ、1回の採卵あたりの妊娠率は、排卵誘発剤を使った方が高くなります。

結婚11年目になります。今まで体外受精を7回試み、病院も今のところで3軒目です。何故、妊娠しないのか原因不明です。今までの体外受精で1度も着床までいったことがなく、失敗する度に妻の悲しそうな顔を見るのが可哀想でなりません。相性が悪いのでしょうか?

相性が悪いと最初から受精しませんので、着床しないこととご主人と奥様の相性とは関係ないと思います。子宮内膜の厚さは十分あるのでしょうか。体外受精を行う周期に子宮内膜の厚さが十分にないようでしたら、全卵子を凍結し、次の周期以降の十分に内膜が育ったときに胚移植する「凍結卵の胚移植」の方が妊娠率は上がります。また、アシステッドハッチング、2段階胚移植などが治療として考えられます。

3回体外受精(顕微授精)を行いましたが、卵割まではうまくいったのですが、3回とも着床しませんでした。その後約1年は何もせずにいました。元々生理不順でしたが、最近生理は定期的にくるようになったものの、生理期間が10日くらいと長くなってしまっています。また先月の周期に何日か排卵判定試薬で検査した結果、すべて陰性でした。このような状態ですが、妊娠の可能性はあるのでしょうか?

顕微授精をしたということは、ご主人にも何らかの問題があるのでしょうか。もし自然妊娠が厳しい程ご主人の精子が少な目だとすると、やはり顕微授精が適応でしょう。着床しにくい原因というのはわからないことも多いのですが、顕微授精は、数回は試されても良いのではないかと思います。毎年新しい技術が開発されているので、もう1度チャレンジされてはいかがでしょうか。生理の不順ですが、これについては軽い排卵障害があるのかもしれません。ただ、市販の排卵検査薬は排卵されていても反応が出ないこともあるので、これだけから排卵しているのかしていないのかを断定することはできません。基礎体温が2相性なら排卵されていると考えて良いと思います。

今まで体外受精を7回しましたが、1度も妊娠しませんでした。7回ともHMGを使いましたが、採卵される卵の数は1個です。しかも卵の殻が硬いとのことで毎回顕微授精をしますが、2分割のグレード3でしか胚移植したことがありません。採卵、胚移植のときの子宮内膜の厚みが回数を重ねる度に薄くなり、初めは、9.8ミリだったのに最後の7回目では4.1ミリで戻しました。年齢も40歳を過ぎているので、もうこれ以上は無理なのでしょうか?

受精卵の質が悪いと妊娠しにくいのは事実で、こればかりは現在の医療ではなかなか難しいものがあります。研究段階の医療としては、他人の卵子の細胞質だけを本人の卵子に注入してあげて卵子の若返りをはかるという方法がありますが、手技の上からも、また倫理面からも、まだまだ実用化は難しいでしょう。子宮内膜については、理論的には卵を凍結して、次の周期以降に内膜を厚くしてから戻せば良いのですが、2分割のG3卵では凍結すると卵の状態がますます悪くなって妊娠しにくくなるかもしれません。今の時点でできることとして、アシステッドハッチングを行って透明帯の一部を薄くして、孵化(ふか)し易いように手助けをする方法を試されても良いかもしれません。

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