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不妊症の原因

子宮内膜症

子宮内膜は月経のあと、卵巣から分泌される女性ホルモンの作用でだんだん分厚くなります。月経が始まって約28日経つと、妊娠しない限りまた次の月経が始まって、子宮内膜は出血と一緒に子宮の入り口から流れ出てしまいます。この子宮内膜が子宮の内側以外のところにある状態を子宮内膜症と呼びます。

子宮内膜が子宮の内側以外のところにあると、毎月、月経にあわせて出血するわけですが、この出血が出てゆく場所がありません。ですからその場所にどんどん出血がたまってしまうことになります。毎月出血がたまると生理痛がどんどんひどくなる、また、体が血液を吸収しようとして炎症が起こり、癒着を起こしたり、受精しにくくなったりします。子宮内膜症がよく起こる場所は卵巣、卵管、子宮と直腸の間のダグラス窩と呼ばれるくぼみ、卵巣の裏側の腹膜などです。こういった場所は妊娠するのに重要な臓器、あるいはそのすぐ近くですから、癒着が起こると不妊症の原因になってしまいます。

では子宮内膜症はどうやって診断するのでしょうか。子宮内膜症の方を内診しますと、ひどい子宮内膜症の場合は内膜症の部分を押さえると痛みがあり、血がたまってできた硬い腫瘤にふれることもあります。また超音波検査で腫瘤が見つかることもあります。でもこれらの診断法はいずれも腫瘤を作ったかなり大きな子宮内膜症しか診断できないという欠点があります。血液の中のCA-125という物質を測定すると高値を示すこともありますが、子宮内膜症があるからといって必ずCA-125が高値を示すわけでもありません。早期の子宮内膜症を的確に診断できる唯一の検査は腹腔鏡検査です。腹腔鏡で調べると、卵巣、卵管、子宮といった妊娠に重要な場所、あるいはその近くに子宮内膜症があるか無いかを確実に検査できます。実際、原因不明の不妊症の方に腹腔鏡検査を行うと、約60%の方に初期の子宮内膜症が見つかります。

子宮内膜症があったときにはどうすればよいのでしょうか。現在では腹腔鏡手術によって子宮内膜症を焼いてしまう、あるいは腫瘤を取り除いてしまうことができるようになりました。もし癒着があれば同時に剥離することもできます。大きな腫瘤を作ってあちこちにひどい癒着のある場合には、開腹して手術しなければならないこともあります。
 内科的な治療としてはGn-RHアナログという薬やダナゾールという薬が使われます。Gn-RHアナログというのは、視床下部から出るGn-RHというホルモンと似た物質で、視床下部から脳下垂体にFSHやLHを分泌しなさいという命令が届くのを妨害します。その結果卵巣では排卵が起こらず、月経もなくなります。月経がなくなると子宮内膜症の細胞は出血せず萎縮して、子宮内膜症が良くなるというわけです。ダナゾールというのは男性ホルモンの一種で卵巣での女性ホルモンの分泌を止めて月経をなくし、また直接子宮内膜症の細胞を萎縮させる作用があります。
どちらの薬も約6ヶ月続ける必要があります。残念ながら薬だけでは子宮内膜症を完全に直すのは難しく、時間が経つと再発することが多いようです。薬を使っている間は排卵しませんから妊娠しません。妊娠へのトライは服用が終わってからになります。